ニコンのゴルフ用レーザー距離計「COOLSHOT」シリーズから発売されているPROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDについて、価格・表示・測定・外観の違いを詳しく解説します。
PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZED
※左PROⅢ STABILIZED、右がPROⅡ STABILIZED
ニコンのCOOLSHOTシリーズは、「PRO STABILIZED」、「LITE STABILIZED」、「50i」、「20i」の4種が現行モデルとなっています。
その中で「PRO STABILIZED」はNIKONを代表する最上位モデルで、これまで3世代に渡って発売されています。
モデル | 発売開始 |
---|---|
PRO STABILIZED | 2018年6月 |
PROⅡ STABILIZED | 2023年10月 |
PROⅢ STABILIZED | 2025年4月 |
本記事で取り上げているのは2代目のPROⅡ STABILIZED、そして、3代目のPROⅢ STABILIZEDです。
ちなみに、ニコンというと「手ブレ補正機能」を思い浮かべる方も多いと思いますが、全てのモデルに搭載されているわけではなく、モデル名に「STABILIZED」と付くものに限定されます。

PROⅢ STABILIZED、PROⅡ STABILIZEDは、どちらも「手ブレ補正機能」を搭載!
PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDは、外観の雰囲気は良く似ていますが、PROⅢ STABILIZEDは後継モデルだけあって、機能、性能の両方で進化しています。
PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDの違い
PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDの違いについて、価格、表示、測定、外観の4つに分けて解説していきます(以降はPROⅢ、PROⅡとする)。
①市場価格の違い:PROⅢは6万円の高級モデル!PROⅡの方が2万円以上安い!
▼最安値の調査結果
世界的な老舗カメラメーカーのニコンの最上位モデルだけあって、どちらもゴルフ用のレーザー距離計としては高級品です。
特にPROⅢの方は世界的な物価高の影響もあってか、定価がほぼ2万円も値上がりしていて、6万円を超えました。
市場価格の最安値については、PROⅢが58,410円(楽天)、PROⅡが34,980円(Amazon)となっています。
つまり、価格差は約23,000円となっていますので、かなり大きいです。
どちらがオススメかについて、先に筆者の見解を述べてしまいますと、メーカーには言いにくいですが実は前作のPROⅡです。
その理由としては、やはり大きすぎる価格差が挙げられます。
たしかにPROⅢは機能、性能の両面で進化していますが、機能は追加ではなく変更、性能は測定スピードのアップです。
つまり、この差に2万円以上を払うかという判断になるわけでして、筆者としては払わない方、つまり、PROⅡの方をオススメします。
PROⅡとPROⅢの価格以外の実質的な違いについて、次の章から(②~④)具体的に解説していきます。
②表示仕様の違い:全く同じで、違いは無い!
▼PROⅢとPROⅡの表示仕様の違い
モデル | PROⅢ | PROⅡ |
---|---|---|
ディスプレイ | OLED | OLED |
表示色 | 赤・緑の2色 | 赤・緑の2色 |
透過率 | - | - |
輝度調整 | 〇(自動) | 〇(自動) |
望遠倍率 | 6倍 | 6倍 |
PROⅢとPROⅡで、表示の機能・性能には違いがありません。
出典:nikon.com
どちらも赤・緑の2カラーOLEDを採用していますので、ゴルフ用のレーザー距離計としては最も見やすい仕組みを採用しています。
特に、上図のように背景が暗いシーンでは、黒色表示では背景と同化してしまいますが、カラー表示は抜群の見やすさを提供してくれます。
③測定仕様の違い:ロックオン通知が音から振動に変更!測定スピードもアップ!
▼測定仕様の違い
モデル | PROⅢ | PROⅡ |
---|---|---|
ピンサーチ | 〇 | 〇 |
高低差機能 | 〇 | 〇 |
高低差ON・OFF | 〇 | 〇 |
高低差ON・OFF の外部通知 |
〇 | 〇 |
3点間距離 | - | - |
ターゲット捕捉通知 | 振動 | 音 |
手ブレ補正 | 〇 | 〇 |
自動電源OFF | 〇(8秒) | 〇(8秒) |
測定距離 | 8~1,200y | 8~1,200y |
測定スピード | 0.1s | 0.3s |
測定機能については、ピンを捉えたことを知らせる仕組みが変わりました。
どちらのモデルも二重で通知する仕組みが採用されています。PROⅡではディスプレイ内のLOCK ONサインと電子音ですが、PROⅢではディスプレイ内のLOCK ONサインはそのままで電子音が振動(バイブレーション)に変わりました。
出典:nikon.com
音は周りが騒がしいと気付けない可能性がありますが、振動は誰でも感じ取りやすいため、よりロックオンが分かりやすくなっています。
さらに、測定スピードもアップしていて、PROⅡは0.3秒でしたが、PROⅢは0.1秒にありました。スピードが速いと測定が快適になるのは勿論のこと、手ブレを抑える効果もありますので、より楽に測定しやすくなります。

PROⅢでは、測定スピードがアップし、ピン補足が振動で分かるようになった!
④デザイン・外観の違い:サイズはほぼ同じだが、重量は25gアップ
※左PROⅢ STABILIZED、右がPROⅡ STABILIZED
外観(デザイン)については、アクセントカラーがブルーからイエローに変わりました。
ただ、全体的なフォルムはどことなく似ていて、COOLSHOTらしさが継承されています。
最近のクレカ並みの超コンパクトタイプは、小さ過ぎて指で摘まむように構える方もいると思いますが、COOLSHOTは縦幅を長めに持たせてありますので、しっかりホールドしやすいのが形状面の特徴です。
▼サイズ・重量の違い
モデル | PROⅢ | PROⅡ |
---|---|---|
サイズ | 102×74×42mm | 100×75×42mm |
重量 | 205g(電池を除く) | 180g(電池を除く) |
サイズは、PROⅢの方がやや大きくなりましたが、3辺の長さを乗じた算出体積で見ると、僅かに0.6%増です。つまり、大きさはほぼ同じといって良いでしょう。
重量については、180gから25gアップして205gとなっています。なお、ニコンは全モデルで電池式を採用している珍しいメーカーでして、実際の使用時には電池の分だけさらに重くなります。
CR2は11gの重さがありますので、PROⅡは191g、PROⅢは216gということになります。これは、レーザー距離計としてはやや重たい方でして、しかもPROⅢの方が25g重くなっています。
ちなみに、「重い=デメリット」ということではなく、重さがある方がどっしり構えられますので、測定時の安定感、構えやすさを重視される方は、ある程度のサイズ感・重量感がある方が適しています。
もし軽さを重視される場合、NIKONの中では20i GⅢが最も軽量タイプ(130g)となっていますので、こちらを検討されると良いでしょう。

まとめ:PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDは、どちらがオススメか?
冒頭の価格のところで、PROⅡ STABILIZEDがオススメと述べてしまっていますが、改めて整理します。
PROⅢ STABILIZEDとPROⅡ STABILIZEDの主な違いをまとめると以下の通りです。
- 市場価格は、PROⅢの方が23,000円ほど高い
- PROⅢはロックオン通知が音から振動に変更
- PROⅢは測定スピードが0.1秒に進化(PROⅡは0.3秒)
- サイズ・重量はPROⅢがややアップ
以上を踏まえると、PROⅢの方が定価・市場価格ともい20,000円ほど高額ですが、それと比べると機能・性能の進化は控えめです。
少なくとも価格差が1万円以上ある限りは、PROⅡの方がオススメです。
なお、当記事執筆時点ではPROⅢの発売から間もないため、もう少し時間が経過すれば市場価格は下がってくると思われます。購入するタイミングでの価格差に注目しましょう。
PROⅢとPROⅡの個別の詳しい解説・評価については、別記事にまとめてありますので、下記記事をご覧ください。

