レーザー距離計は外観こそどれも似ていますが、価格に大きな幅があるように、搭載されている機能にも大きな差があります。
本記事では、レーザー距離計に搭載されている主な機能について、
- ① 絶対欲しい3つの機能
- ② あると便利な5つの機能
の2つに分けて詳しく解説します。
・レーザー距離計に欠かせない機能(3種)
・レーザー距離計にあると便利な機能(5種)
レーザー距離計に絶対欲しい3つの機能
ゴルフ専用のレーザー距離計は、専用に製造されているだけあってゴルフならではの機能が搭載されています。
本章では、ゴルフ専用のレーザー距離計として、まず、絶対に欲しい機能を3つ取り上げます。
主要・必須とも言える機能でありながら、中には廉価モデルには搭載されていない場合もありますので、購入を検討している商品に搭載されているか確認してみてください。
① 800ヤード超の最長測定
レーザー距離計は最長でどのぐらいの距離まで測れるかというスペック値があります。
ドライバ―飛距離が200ヤード前後の方は、300ヤードもあれば十分と思われるかもしれませんが、実際にはそれでは不足します。
パー5・500ヤードなどのロングホールでは、2打目の目標地点まで測ろうとすると、300ヤードでは不足してしまいます。
ピンサーチというピンフラッグを捉える計測モードを使う場合、測定可能距離が最大測定距離の大凡半分ぐらいと言われています。そのため、300ヤードでは単純計算で150ヤードとなってしまい不足するケースが出て来ます。
ニコンやブッシュネルといったレーザー距離計の高級モデルになると、1200ヤード・1300ヤードが当たり前に備わっています。
実際のゴルフシーンでの利用を考えると、最低でも800ヤードは欲しいところです。

飛ばし屋の方は、余裕をもって1,000ヤードあると快適!
② ピンサーチ測定
レーザー距離計のゴルフならではの最たる例が、ピンサーチ、ピンシークなどと呼ばれる測定方法です。
これは、ピンフラッグまでの距離をピンポイントで測るための機能で、細い棒状のフラッグバーを捕捉しやすくするために通常とは異なる方法で測定されます。

細いピンフラッグでも、ピンサーチ機能を使えば簡単にレーザーで捉えられる!
ピンサーチの一般的な仕様としては、ボタンを押している間、ずっと計測が行われていて、最も前方にある対象物が次々と優先的に計測されます。
そのため、林などの背景があったとしても、ピンフラッグ周辺にレーザー距離計を向ければ、最も前にあるピンフラッグが捉えられるという仕組みです。
この機能が無いレーザー距離計は、筆者は出会ったことがありませんが、最近は超廉価モデルが増えています。1万円を切るようなモデルの場合は、ピンサーチ機能が搭載されているか否かは確認しておいた方が安全です。
③高低差機能
高低差機能は、メーカーによってはスロープ機能、スロープモードなどと呼ばれるもので、高低差を加味した距離案内を行ってくれる機能です。
例えば、打ち下ろしの場合、ターゲットまでの直線距離が170ヤード、水平距離が160ヤードだったとしても、実際に打つべき距離は150ヤードぐらいを目安にするということがあります。
この実際に打つべき距離をゴルファー個々人の経験や感で決めるのではなく、レーザー距離計が算出してくれるのが高低差機能です。
特に日本のゴルフ場は丘陵コースが多く、起伏に富んでいるため、レーザー距離計を利用するのであれば高低差機能の恩恵には是非とも預かりたいところです。
なお、打つべき目安距離の算出は、アルゴリズムを用いて算出されるものと、単純に直線距離±高低差で簡易算出しているものがありますので、拘られる方はメーカーに確認されると良いでしょう。

打つべき目安距離の算出方法は、メーカーによりロジックが異なる!
あると便利な5つの機能
レーザー距離計は、高価格になればなるほど便利な機能が付加されています。
ものによってはニッチなニーズに応えたものもありますので、必ずしも万人が便利な機能だけではありませんが、当然ながら秀逸な機能も沢山あります。
ここでは、レーザー距離計にプラスされると便利な機能を5つ紹介します。
①カラー表示
レーザー距離計は、ファインダー内に距離結果が表示されます。そして、その表示色は、黒色が基本です。
日差しが強い明るい日には、黒色はとても見やすいのですが、曇りの日だったり背景が薄暗い場合には、黒色は見にくい場合があります。
▼左は黒色表示、右は赤色表示
出典:amazon
そのため、高価格帯のモデルになると赤や緑といった鮮明な色を採用しているモデルがあります。
こういったモデルは、明るさ調整機能、カラー・モノクロの切替機能を搭載しているモデルもあります。
ゴルフではレーザー距離計を屋内で使いますので、天候や日照具合の影響を受けやすいという性質があります。
見やすさを重視したいという方は、以下の点に拘ると良いでしょう。
- カラー表示
- 輝度調整
②高低差機能のON・OFF
高低差機能は、「絶対欲しい機能」の3つ目で紹介した機能です。
ここで取り上げているのは、高低差機能をON・OFFに切り替える機能です。
何故、ON・OFFが必要かと言うと、理由は2つあります。
(理由1)競技大会では高低差機能は、原則、使用禁止
プロの世界では、距離計測器の使用は認めているものの、高低差機能の利用は認められていません。
月例などのゴルフの大会でも、高低差機能の利用を禁止しているところが殆どだと思います。
その場合に、高低差機能が搭載されているレーザー距離計であっても、基本的には高低差機能をOFFに切り替えていれば使用が認められます。
※出場される大会に確認ください。
ので、大会に出場される方は、高低差機能のON・OFF切替があると、オフィシャル・プライベートの両方で活用することができます。
(理由2)直線距離も知りたい
高低差機能をONにしてると、高低差を加味した打つべき目安距離だけを案内するモデルが少なくありません。
ゴルファーによっては、測定した実際の距離(高低差、直線距離)も知りたいという方もいると思います。
その場合、加味した距離しか案内されないモデルであっても、高低差機能をOFFにすれば、測定した実際の距離も確認することができます。
③手ブレ防止
ニコンのゴルフ専用レーザー距離計「COOLSHOT」には、さすが日本の老舗カメラメーカーだけあって、手ブレ補正という秀逸な機能が搭載されています。
カメラに手ブレはつきものでして、捉える対象が遠くになればなる程、手ブレの影響は大きくなります。
風が強いなどの悪条件下においては、ブレブレになるとピンフラッグを捉えるのがより困難になります。
この種の苦労を経験された方、ピンを捉えるのが苦手な方は、ニコンの手ブレ補正機能が搭載されているモデルを検討されてみると良いでしょう。
④任意の2点間の距離計測
ゴルフのレーザー距離計は、通常、自分の位置からの距離を測定します。
しかし、一部のモデルでは、任意の2点間の距離を計測する機能が搭載されています。
この機能は、ファインキャディ J5に搭載されています。
上図の例では、他人のショット移転と飛んだボールの位置、つまり飛距離を測定しています。
実用的な便利な使い方はこのケースではなく、例えば、カートに乗ったままボールとターゲット地点を測定する使い方です。
カートから離れる前に打つべき距離が分かれば、最適なクラブ(番手)選びにとても役立つのは想像に難しくありません。
⑤マグネット
レーアー距離計の中には、本体に磁石(マグネット)を搭載しているものが希にあります。
磁石があると、カートの金属フレーム、アイアンのヘッド(磁性素材)などにくっ付けることができます。
▼マグネットの活用例
上掲の動画では、距離測定後にレーザー距離計を芝生の上に置いておいて、ショット後にアイアンヘッドにくっ付けて拾い上げています。
地面から物を拾うのは、腰痛持ちの方にとっては苦痛だったりリスクのある動作です。
この機能は、便利どころか「必須」に感じられる方もおられるでしょう。
まとめ
ゴルフ専用のレーザー距離計は、高価格のモデルは5万円を超え、反対に低価格のモデルは1万円を切ります。
そして、この価格差は搭載されている機能にも反映されています。
レーザー距離計に求める機能は、ゴルファー個々人によって違いがあると思いますが、極々一般的な目線から、絶対に必要な機能3種、あると便利な機能5種を紹介しました。
ご自身が必要とする機能が分かると、お求めになるべきレーザー距離計が絞られますので、今回、紹介した機能について、どれが必要か必要でないか、まずは確認してみてください。