ゴルフ用のレーザー距離計で、赤色のカラー表示に対応したおすすめモデルをまとめました。
一般的な黒色表示では見にくいと感じられる方は、カラー表示に対応したモデルを使用することで、見やすさが大きく改善される可能性があります。
カラー表示の基本構造:2つの表示方式と3つのカラータイプ
レーザー距離計のカラー表示は、採用しているカラーだけでなく、技術的な表示の仕組みそのものにも違いがあります。
表示方式はOLEDとLCDの2種類あり、カラータイプは赤・緑の2色、赤1色、赤・黒の切替可能の3種類あります。
計算上は2×3=6タイプとなりますが、製品として2色採用(赤・緑)のLCDは存在しないようなので、実際には5タイプと考えて良いでしょう。
表示方式の違い:OLEDとLCDの構造と特徴
LCDとOLEDの違いを簡単に言えば、OLEDのほうが表示がはっきりしていて、力強く見えるという点にあります。 その分、価格は高くなる傾向がありますが、表示の質には大きな差があるため、見やすさを重視する方にはOLEDが断然おすすめです。
以下に両者の仕組みの違いを解説しますが、興味が無い方はこの章を読み飛ばしてください。

出典:global.canon
- LCD:Liquid Crystal Display
日本語では液晶ディスプレイと呼ばれています。仕組みとしては、R・G・Bのカラーフィルターがあり、裏から光を透過させてカラーを表現します。 - OLED:Organic Light Emitting Diode
日本語では有機ELと呼ばれています。LCDとの根本的な違いとして、OLEDはR・G・Bの画素そのものが自分で発光します。
LCDはバックライトを使って表示するため、黒を表現しても画面がうっすら光ってしまいます。 その結果、コントラストが弱くなり、映像が少しぼやけた印象になることがあります。
一方、OLEDはバックライトを使わず、各画素が自ら光る仕組みです。黒を表示する際は、画素が完全に消灯するため、深く引き締まった黒が表現できます。また、その他の色は画素が直接発光することで、鮮やかで力強い表示が可能になります。
レーザー距離計では最も多いタイプが黒1色で、LCDが使われています。皮肉にもLCDは黒の表示が苦手ですから、必然的に測定結果が読み取りづらいということになるわけです。
カラータイプの3分類:赤+緑、赤or黒、赤

カラー表に対応したものは、大きく3タイプに大別されます。
- 赤・緑の2カラー表示
- 赤1カラー表示に加えて、黒への切替も可能
- 赤1カラー表示のみ
基本的に、赤・緑の2カラー表示が最も視認性に優れていますので、予算に余裕があればこのタイプを選ぶのがおすすめです。
ただし、環境によっては赤色が明るすぎて見づらく感じる方も希におられるようです。そういった心配がある方は、黒色への切替機能があるモデルを選ぶと良いでしょう。
次の章からは、カラー表示のタイプ別にオススメのモデルを取り上げましたので、是非、購入の参考にしてみてください。以下のタイプ分けは視認性が優れている順に挙げています。
- 赤・緑の2カラー対応モデル(OLED)
- 赤・黒の切替が可能なモデル(OLED)
- 赤・黒の切替が可能なモデル(LCD)
- 赤のみの1カラーモデル(OLED)
- 赤のみの1カラーモデル(LCD)
基本的に、OLEDを採用したモデルが視認性・表示品質ともに優れています。LCDに比べて価格は高めですが、メーカーによっては手頃な価格帯の製品も多数あります。
まずは、「赤・緑の2カラー対応モデル(OLED)」から検討するのが理想的です。
赤色・緑色の2カラー対応モデル(OLED)
赤・緑の2カラーに加えて、OLEDが採用されていますので、ゴルフ用のレーザー距離計の中で、現時点で最も視認性に優れています。
① NINJOR GOLF NJ MINI PRO OLED
2024年にNJシリーズの3モデル全てを一気にリニューアルし、爆発的なヒットとなっています。
その中で最も人気があるのがNJ MINI PRO OLEDで、赤・緑の2カラーに加えて、超小型・超軽量、3点間距離を搭載しています。

出典:楽天
透過率も80%と高いためファインダー内の景気が見いやすいのも特徴です。
超小型は小さ過ぎて構え辛いという方は、同時発売されているNJ± PROにすると、少しサイズ感があり構えやすい形状となっていますので、オススメです。


② EENOUR U1000PRO+
EENOURは2023年にUltra-mini U1000PRO/U800を発売し、一躍、レーザー距離計の人気メーカーとなりました。
その後継モデルがU1000PRO+とU800+です。下位モデルのU800+は黒1色ですが、上位モデルのU1000PRO+は引き続き2カラーOLEDを採用しています。

出典:楽天
透過率が95%と最高レベルに高く、さらに4段階の輝度調整機能も搭載されています。
測定スピードは0.04sと高速で、測定距離も1000ヤード超となっていますので、測定性能も優れています。

③ ニコン COOLSHOT PROⅢ STABILIZED
世界的な老舗カメラメーカーのニコンの技術力が結集された「COOLSHOT」シリーズの最上位モデルです。
2カラー表示と手ブレ補正により、視認性・操作性・測定精度のすべてにおいて、レーザー距離計市場の中でも群を抜く完成度を誇ります。

出典:nikon.com
ピン測定が完了すると、振動による通知に加え、緑色の「LOCKED ON」サインが表示されるため、手の感覚と視覚の両方で確実に認識でき、直感的に分かりやすい設計となっています。

④ EENOUR SILLAID VM2
SILLAIDは、EENOURが展開するプレミアムラインとして誕生したモデルで、本革を使用した上質感漂うデザインが特徴です。
前年モデル「SILLAID VOYAGE」と比較して、大幅な小型化・軽量化を実現しており、携帯性が格段に向上しています。

透過率95%の高性能レンズに加え、5段階の自動輝度調整機能を搭載。視認性に優れ、ストレスなく使用できる設計です。
測定スピードはわずか0.04秒と高速で、3点間距離の計測にも対応。外観だけでなく、機能・性能の両面で完成度の高いモデルです。

⑤ OUTZOOP B1000PROF
OUTZOOPのレーザー距離計は、TV通販で取り上げられたことで知名度が高く、ネットショッピングでも人気があります。
2025年モデルのB1000PROFは、2024年モデルのB1000PROと外観は同じながら、近年注目されている3点間距離の測定機能が搭載されています。

出典:Amazon
同年発売の下位モデル「B1000F」が黒一色表示なのに対し、「B1000PROF」は赤・緑の2カラーOLEDを採用しているのが大きな違いです。
さらに、95%の高透過率レンズに加え、4段階の輝度調整機能も搭載されていて、日照境に左右されにくく、使いやすさとレンズ性能の両面で優れた仕上がりとなっています。

⑥ EENOUR U2
U2は、大ヒットモデルのU1000PRO+の実質的な後継モデルです。
アルミニウムを用いた光沢感のあるデザインテイストは継承されていますが、全体の形状が筒状に近づいていて、掌で丸く包み込むように構えやすくなっています。

出典:eenour.jp
レンズ倍率は従来の6倍から7倍へと向上し、測定スピードも0.04秒から0.02秒へとさらに高速化。
スピード測定や水平・垂直距離といった補助機能は省かれていますが、性能面が強化されたことで、よりゴルフに特化した使いやすさが実現されています。

⑦ Shot Navi Laser Sniper RAYS GR+
ショットナビは、腕時計型GPSゴルフナビとレーザー距離計の両分野で多数のモデルを展開していて、いずれも高い人気を誇るブランドです。
「RAYS GR+」は姉妹モデル「RAYS+」と同様、最長1,600ヤード超の測定距離を実現しています。この数値は、ゴルフ用レーザー距離計としては国内トップクラス、あるいはNo.1のスペックと言えるでしょう。

出典・参考:マニュアル
姉妹モデル「RAYS+」が黒色表示なのに対し、「RAYS GR+」は赤・緑の2カラーOLEDを採用しています。さらに、輝度の自動調整機能を搭載することで、視認性と快適性が大きく向上しています。
機能面では3点間距離測定を備え、性能面でも最大測定距離1,640ヤード・測定速度0.05秒というハイスペックで、精度とスピードの両立を実現しています。

赤色・黒色の切替が可能なモデル(OLED)
赤1色のOLEDに加えて、黒1色への切替が可能なモデルです。
基本的には赤1色で異なりますが、ひっざしが強すぎる場面では、黒1色の方が見やすいと感じられる方も希にいるようです。
そういった傾向がある方は、黒1色への切替があることで、安心感があります。
① ブッシュネル ピンシーカー プロX3 プラスジョルト
ピンシーカー プロX3 プラスジョルトは、レーザー距離計の分野でワールドワイドでNo.1のブランドを誇るブッシュネルの中で、最上位機種です。

赤色表示に対応していて、見やすさに優れていますが、側面のボタンを押すことで簡単に黒色表示に切り替えることができます。
ブッシュネルのハイエンドモデルだけあって、温度・湿度・高度を考慮した高低差機能、完全防水設計、Bluetoothによるアプリからの設定変更なども可能で、便利な機能がふんだんに詰め込まれています。
倍率も一般的な6倍の上を行く7倍が採用されていますので、小さなターゲットもより楽に捉えやすくなっています。
なお、No.1プランドのNo.1モデルだけあって、お値段もNo.1で8万円を超えますが、その分、所有感は十分に満たされるでしょう。

② EENOUR U1000ADL
U1000ADLは、U1000RGとの姉妹モデルです。
U1000ADLは赤1色表示(黒1色への切替が可能)なのに対して、U1000RGは赤・緑の2カラー表示が採用されています。
これだけ聞くと、U1000RGの方が上位モデルと思われる方もいそうですが、U1000ADLの方が上位で、3点間距離と霧モードの2つの機能が追加されています。

出典:Amazon
価格的にはU1000ADLの方が5000円ほど高いですが、3点間距離はとても便利な機能のため、U1000ADLの方がオススメです。


赤色・黒色の切替が可能なモデル(LCD)
先程の赤・黒の切替可能なモデルはOLED版ですが、こちらはLCD版のみのおすすめモデルを集めました。
OLEDよりもコントラストが弱いため、見やすさという点では劣りますが、その分、価格は安くなる傾向にあります。
① Danact ダナクト レーザー距離計 2024年モデル DN3000
Danactレーザー距離計は、19,900円という2万円を切る低価格でありながら、赤色表示に対応した貴重なモデルです。

出典:danact.com
Danactが他のカラー表示対応のモデルと大きく異なるのは、赤色で表示できるだけでなく、スイッチ一つで黒色表示に切り替えることができる点です。
背景が暗い所では赤色の見やすさが際立ちますが、明るすぎるところであったり、背景色が赤系の場合には、逆に黒色の方が見やすい場合もあります。

② FineCaddie J5 RED
J5 REDは、J5の後に追加で発売されたモデルです。
J5が黒1色表示なのに対して、J5 REDでは赤色表示が追加されていますが、市場価格はほぼ同じで、場合によってはJ5 REDの方が安い場合もありますので、とてもお買い得です。

出典:finevu.com
カラー表示だけでなく、3点間距離が採用されているため、機能面でも充実しています。
さらにFineCaddieの外観はレザーデザインとなっていますので、一般的なプラスチックボディのものと比べると、高級感があるのも特徴です。

③ VOICE CADDIE Laser FIT
VOICE CADDIE Laser FITは、フォルム・カラーリングともにデザイン性が高く、レディースゴルファーを中心に人気があるモデルです。
機能面では3点間距離も備わっていますので、測定による遅延が気になる方も使いやすいモデルです。


出典:ユーザーマニュアル
表示色の変更は、3段階の輝度調整により可能となっていて、黒から赤に切り替わっていきます。

④ Danact ダナクト レーザー距離計 2022年モデル DN1000
先程の2024年モデルの前のモデルが2022年モデルです。
前のモデルのため性能が少し劣るところがありますが、殆ど変わりません。
充電のコネクターについては、2024年モデルではType-Cが採用されていますが、2022年モデルはMicro USBのため、不便に感じられる方の方が多いように思います。
この点がクリアされるのであれば、基本的に前のモデルの方が安くなりますので、こちらもオススメです。

赤色のみの1カラーモデル(OLED)
カラー表示は見やすさを高めてくれますが、輝度(明るさ)調整機能が搭載されていると、日照条件などに合わせて更に見やすく調整することができます。
① ニコン COOLSHOT 50i GⅡ
COOLSHOT 50i GⅡは、COOLSHOTシリーズの4モデルの中で、唯一、スポーティーなデザインが採用されています。
視覚的な個性だけでなく、側面にマグネットを搭載していて、カートフレームなどに直接貼り付けられるのも大きな特徴です。

出典:nikon.com
冒頭で紹介した「PROⅢ STABILIZED」は赤・緑の2カラー表示に対応していますが、 「COOLSHOT 50i」は赤色1カラーのみの表示となっています。シンプルさを重視した設計とも言えますが、視認性の好みが分かれる部分でもあります。

② Shot Navi Voice Laser Red Leo
ゴルフの距離計を多種多様に手掛けているショットナビのレーザー距離計です。
赤色表示なだけでなく、4段階の輝度調整機能も搭載されていますので、最適な見やすさを確保しやすくなっています。

出典:shotnavi.jp
このモデルの大きな特徴の一つが操作方法にあります。名前から分かる通り、音声(VOICE)操作が可能なとても珍しいレーザー距離計です。
音声を使うメリットは、指で押さないため「機器がブレにくく」、手ブレが抑えられるところにあります。
▼音声操作による測定方法
| 測定内容 | 音声での指示 |
|---|---|
| ポイント計測 | 『ポイント測定』または『ポイントまでの距離』 |
| ピンシーク計測 | 『ピンまで測定』または『ピンまでの距離』 |
| スキャン計測 | 『測定開始』または『スキャン開始』 |

赤色のみの1カラーモデル(LCD)
赤1色のLCDのタイプのみをまとめました。OLEDと比べると、価格が安くなりやすいというメリットがありますが、見やすさはOLEDの方が断然優れています。
余程のプラスポイントが無い限りは、原則、OLEDの方を選ぶことをオススメします。
① TecTecTec Light
TecTecTecはアメリカのAmazonで、レーザー距離計の販売数が5年連続でNo.1を記録していて、とても人気があるブランドです。

Lightと名付けられていて、機能・性能が絞り込まれた低価格モデルです。
1万円前後でしっかりしたメーカーのものを手にできて、しかも赤色表示が採用されていますので、予算を抑えたい方に適しています。

② TecTecTec ULT-S PRO
こちらも同じくTecTecTec社の製品です。
ULT-S PROは、赤色表示に対応していて、さらに画像のブレを抑えるOIS(光学画像補正)テクノロジーにより、レーザー距離計としては珍しい手ブレ補正の機能が実現されています。

ディスプレイは赤色表示と自動調光機能により、最適な見やすさを提供してくれます。
まとめ
ゴルフ用のレーザー距離計で、ディスプレイがカラー表示に対応したモデルをまとめました。
モデルによっては、赤色対応だけでなく、緑色も取り入れた2カラー対応のもの、黒色への切替が可能なものもあります。
どのモデルも黒色一色のものより見やすさは格段に優れていますが、プラスアルファの要素もありますので、見やすさを高める機能がどこまで必要かを検討した上で、予算と照らし合わせながらご自分に合ったモデルを選ばれると良いでしょう。

















